不当解雇をされた方へ

Aさんのケース(退職勧奨を受けた後、能力不足を理由に解雇された事案)

私は、今の会社で15年間、会社のために真面目に働いてきました。たしかに同期に比べるとそれほど優秀ではなく昇進もしていませんが、それなりに真面目に働いてきたつもりです。上司からはよく叱られたりもしましたが、少しでも力をつけようと努力してきました。

ある日、上司から、「今の仕事は君にとって向いていないと思う。君はどう思う?別の道を探したらどうか。」と言われ、退職勧奨を受けました。
私は、「少しでも成績をあげられるよう努力したいと思います。この会社で働きます。」と話しましたが、後日、同じような面談を経て、解雇処分を受け、「明日から会社に出勤しなくても結構です。」と言われました。

私は「解雇理由を書面でいただけないでしょうか」と訊ねましたが、上司からは口頭で「人事考課の結果、能力不足と判断しました。これが理由です。」という回答でした。これは適法な解雇でしょうか。

弁護士のアドバイス

不当解雇にあたる可能性が非常に高いと言えます。会社と交渉の上、職場復帰を目指すか、または、解決金の支払いを求める必要があります。最終的な判断が出るまでは時間がかかりますので、それまでの期間の生活費をどのようにするか、また、どのように手続を進めていくか一度法律相談にお越し下さい。

1.解雇の手続

懲戒解雇であっても普通解雇であっても、会社は従業員を解雇するためには、労働基準法で定められた手続を踏まなければなりません。
従業員を解雇する場合、法律上は、原則として少なくとも30日前に予告しなければならないとされています。仮に即日解雇とする場合は、30日分以上の解雇予告手当を支払う必要があります。

したがって、会社がAさんに対し、解雇予告手当を支払わずに「明日から来なくてもよい」と告げて従業員を解雇することは、手続上、違法です。
また、解雇した従業員から解雇理由について証明書(解雇理由証明書)の交付を請求された場合、会社はこれを拒むことはできません。会社は、解雇理由証明書に解雇の理由となる具体的な事実と就業規則上の根拠等を摘示しなければなりません。

この場合、単に「能力不足」という記載だけでは抽象的すぎるため、業務成績や人事考課とともに、より具体的な事実を記載する必要があります。
したがって、解雇理由を書面で示して欲しいというAさんの要求に対し、口頭で回答し書面を交付しないということ自体が違法ということになります。

2.解雇の有効性

労働契約法第16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。したがって、法律では、解雇が有効とされるためには、

(1)解雇処分に客観的に合理的な理由があること
(2)解雇という手段が社会通念上相当であること

という2つの要素が必要であるとされています。これは、解雇が普通解雇であるか、懲戒解雇であるかに関係なく必要となります。
Aさんの場合、能力不足が解雇理由となっていますが、判例上、能力不足による解雇の有効性は極めて認められづらい傾向にあります。会社から具体的事実に関し十分な指摘がなければ、解雇が無効となる可能性が高いといえます。

3.解雇の無効を主張する手続

解雇された場合、まずは、会社に対し、会社の就業規則や解雇理由証明書(解雇通知書)の交付を求めることになります。事実関係を明らかにした上で、解雇が無効であることを会社に主張し、解雇撤回・職場復帰を求めたり、一定額の解決金を支払ってもらうよう交渉することになります。

会社との交渉がうまくいかなかった場合は、労働審判を申し立てるか、訴訟を提起することになります。一般に、労働審判は集中的に審理しますので、即日解決することも多く、訴訟に比べると、圧倒的に早い解決となります。しかし、原則3回までの期日しか設定されませんので、裁判所の和解勧告や審判に不服がある場合には、異議を申し立てた上で通常の訴訟に移行することになります。

4.一般的な解決方法

解雇の有効性に関する問題は、一般的には金銭的解決によることが多いといえます。すなわち、従業員の方が一定の解決金の支払いを受けることで会社を退職するというものです。

裁判所の判決が出るまで徹底的に争って、解雇無効の判決を獲得し職場へ復帰する例もありますが、訴訟を経た結果、職場に戻りづらい状況となっているため、一般的にはやはり退職を前提に和解交渉をすることが多いといえます。

5.当事務所の無料相談をご利用下さい

当事務所は労働問題について無料相談(初回1時間)をお受けしております。
会社から突如解雇を言い渡された場合には、ひとりで悩まずに、当事務所へご相談下さい。
弁護士が代理人として会社と交渉することにより、会社側から解決金を引き出すことも可能です。
正社員の方に限らず、派遣社員、契約社員、パート、アルバイトの方からのご相談もお受けしています。

 

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