こんにちは。弁護士の坂根です。
過ごしやすい季節になりましたね。
GWも終わり、新生活に慣れ始めた頃、あるいは、なかなか適応できずに、疲れやストレスが溜まる頃でしょうか。
仕事柄、皆様のご相談を数多くお受けしていますが、本日は、皆様にストレスを克服する方法(思考方法)を1つだけご紹介してみたいと思います。
それは、「起きてしまったことや変えられないことを受け入れて、視点を変えること」です。
仰々しく述べましたが、中身はシンプルです。
まずは、日常生活(職場)を例にとりましょう。
職場で、大嫌いな人が直属上司になってしまったとします。
嫌いだ、嫌いだ…と思い続けても、負の感情ばかりが強くなってしまい、ストレスや疲れは溜まる一方です。
その方が直属上司になった事実とその性格はきっと変わりませんから、これらを一旦受け入れてしまうのです。
その上で、「思い切ってプライベートな話で機嫌をとる」とか、「こっそり、さらに上の上司に相談してみる」という方法をとってみます。
いやいやそれができたら苦労しません、という方もいると思います。
そのようなときは、「苦労は報われると思って1年という期限を決めて耐える」こともよいかもしれません。
ゴール(期限)がみえないという点が精神的負担を重くしていますので、自分なりに一つの区切りをつけてみると気持ちが少し楽になると思います。
次に、法律問題にも当てはめてみましょう。
例えば、交通事故。
「けがをしてしまった」という事実はどうしても変えられません。
痛い思いをしていること、療養のため家族や同僚に迷惑をかけてしまうことなど、被害者の方の無念なお気持ちを思うと、心中察するに余りありますが、すぐには事故前の身体に戻りません。
過去にタイムスリップして身体を元に戻してあげたいと思いますが、これも叶いません。
それでは、どうするか…
どんなに時間がかかってもよいのです。けがをしてしまった事実を受け入れて、療養に専念し、あとは経済的な補償を受けれるよう視点を切り替えていくことが大切です。
次に、相続問題。
ある相続人が、被相続人の財産を使い込んでしまい、預貯金がわずかになってしまったとしましょう。
このとき、使い込みをした相続人を、「なぜ、使い込みをしたんだ」「おまえは昔から金使いが荒い」と感情的に攻め続けても、なかなか現状はよくなりません。
それでは、どうするか…
この場合もアプローチは同じです。
使い込みをした事実は変わりません。また、金使いが荒い相続人の性格は何十年という時間の中で形成された一つの人格ですから、これも変わりません。
許すかどうかは別として、変わらない事実を一旦受け入れるのです。
その上で、正しい遺産分割を行うお気持ちが強ければ、弁護士の協力のもと、粛々と、お金の使い道を調査し、使途不明金を相続財産に戻してもらうための手続きを踏んでいくのです。
仰々しく述べましたが、すぐに実践できたら苦労しませんよね 苦笑
少しでも参考になれば幸いです。
弁護士 坂根 洋平