こんにちは。弁護士の坂根です。
さて、本日は、「後遺障害診断書の書き方」について最後のご案内となります。
後遺障害診断書の右側の最下部に、「障害内容の増悪・緩解の見通しなどについて記入して下さい」と記載されていますので、医師は、この欄に、症状に関する今後の見通しを記載することになります。
通常は、「症状固定と考える」とか、「緩解の見込みはない」などと記載されますが、原則として、この欄の記載が後遺障害等級の決定的要素になることはありません。
もっとも、推測になりますが、むち打ち損傷などで、後遺障害14級が認定されるかどうか微妙で、おそらく当落線上にあると思われる事案について、この欄に、「少しずつよくなる」といった趣旨の記載があると、ときに、等級判断の理由中に「『少しずつよくなる』という記載もあることから、将来においても回復が困難とはいえない」という形で指摘、引用され、非該当の理由の一つとなってしまうことがあります。本当に「少しずつよくなる」のであれば、その記載でもよいとは思いますが、見通しが不明なものについては、そのようなニュアンスの記載はできれば避けたいところです。
次回からは、別のテーマでお話したいと思います。
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弁護士 坂根 洋平