さて、本日も、後遺障害診断書の書き方についてご案内していきます。
前回は、「自覚症状」欄については、病院の先生に「できる限り詳細に」、かつ、「漏れなく」、記載してもらう必要があることをお話しました。
後遺障害診断書は、基本的には病院の先生の裁量で作成してもらうため、あまり細かな点まで指示したり、お願いしたりすることはできませんが、実務上、以下のようなポイントがあります。
・「ときどき痛む」、「~の際に痛む」→平時は痛みが(あまり)ないといった解釈をされてしまい、後遺障害等級非該当の理由とされることがある。
・「軽度の痛み」→文字どおり、「軽い」と評価されてしまい、後遺障害等級非該当の理由とされることがある。
・「軽減したが、なお痛む」→「痛む」の方に比重があるとしても、自賠責調査事務所(後遺障害の調査をする機関)は、「軽減」という文言に対しては非常に敏感であるため、「軽減」という記載が後遺障害等級非該当の理由とされることがある。
・受傷部位から到底、派生し得ないような症状の記載がある→因果関係がないものとして、後遺障害等級非該当の理由とされることがある。
次回は、「他覚症状および検査結果」欄について、私なりの考え方を述べたいと思います。
弁護士 坂根 洋平

埼玉県出身。都内法律事務所での経験を経て、平成28年に「浦和セントラル法律事務所」を開設しました。さいたま市をはじめとする地域の皆さまの身近な相談相手として、信頼関係を何より大切に、丁寧な対応を心がけています。交通事故や相続、労働、企業法務など幅広い分野に携わってきた経験を活かし、一人ひとりに寄り添った解決を目指します。